ALLOY602(インコネル602CA)は高炭素成分を含有するニッケル—クロム—鉄合金で、極微量の合金成分としてチタン、ジルコニウムに加えてアルミニウムとイットリウムが添加されています。
ALLOY602(インコネル602CA)は優れた高温クリープ特性を示します。
HCF(高サイクル疲労)およびLCF(低サイクル疲労)モードで優れた疲労破壊強度を有しています。
本合金は高温下および繰り返し条件下においても並外れた酸化耐性を示します。また、高温下の炭化媒体および酸化/塩化媒体に対しても耐腐食性が非常に良好で、「メタルダスティング」を発生させるような条件下においても高い耐腐食性を保ちます。
ALLOY602(インコネル602CA)の最も優れた特性は耐酸化性で、1200°C(2192°F)までの全使用範囲に渡ってALLOY602(インコネル602CA)の耐酸化性を上回っています。
加熱-冷却の連続サイクルなど、非常に過酷な条件においてもALLOY602(インコネル602CA)はこの特性を維持します。これは非常に剥離しにくい強固に密着した酸化アルミニウムの層によるものです。
1100°C(2012°F)までの質量変化は無視できる程度の値に抑えられます。
試験の結果から、繰り返し応力をかけた際の質量損失は、他の高温用合金と比較しても本合金が最も小さいことが示されています。
また、ALLOY602(インコネル602CA)はクロムおよびアルミニウム成分の含有率が高いため、高温下の酸化/硫化環境においても良好な耐性を示します。
耐浸炭性についてはALLOY601(インコネル601)も良好な特性を示していますが、ALLOY602(インコネル602CA)はそれを大幅に上回っています。
この優れた耐浸炭性はメタルダスティングに対する耐性も付与しています。
窒素吸収についてもALLOY601(インコネル601)に比べてALLOY602(インコネル602CA)の方が少ない傾向にあります。
ALLOY602(インコネル602CA)は熱プロセスおよび化学/石油化学プロセス、発電所設備など、広範囲な用途に使用されています。
• 輻射加熱管
• 炉筒ローラー
• 光輝焼鈍炉のマッフル(水素雰囲気)
• ロータリーキルンおよび高炉
• 炉の構成部品
• 配管吊具/拘束冶具
• 廃ガス処理システムおよび廃ガス浄化プラントの構成部品
• 放射性廃棄物のガラス固化に使用する金型
• メタノールおよびアンモニア合成
• 水素の製造
• 化学工業および石油化学工業における改質器
• グロープラグ
• 自動車触媒担体システム
Ni | Cr | Fe | C | Mn | Si | Cu | Al | Ti | Y | Zr | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
min | bal. | 24.0 | 8.0 | 0.15 | 1.8 | 0.1 | 0.05 | 0.01 | |||
max | 26.0 | 11.0 | 0.25 | 0.1 | 0.5 | 0.1 | 2.4 | 0.2 | 0.12 | 0.10 |
※表内の数値は参考基準値で、最小値・最大値を保証するものではありません。詳細につきましては別途お問い合わせ下さい。
温度(℃) | 張力(Mpa) | 耐力(Mpa) | 伸び(%) |
---|---|---|---|
20 | 675 | 270 | 30 |
100 | 650 | 240 | 30 |
200 | 625 | 220 | 30 |
300 | 600 | 200 | 30 |
400 | 580 | 190 | 30 |
500 | 560 | 180 | 30 |
600 | 520 | 175 | 30 |
700 | 420 | 170 | 30 |
板・パイプの機械的性質数値・資料についてはお問い合わせ願います。上記は丸棒での数値となります。
※表内の数値は参考基準値で、最小値・最大値を保証するものではありません。詳細につきましては別途お問い合わせ下さい。
材質名 | 丸棒 | 板 | パイプ | ||
---|---|---|---|---|---|
シームレス | 溶接管 | ||||
ASTM | UNS N06025 | B166 | B168 | B163/B167 | B516/B517/B546 |
ASME | SB166 | SB168 | SB163/SB167 | SB516/SB517/SB546 | |
JIS | - | - | - | - | - |
DIN | 2.4633 |
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