ALLOY718は析出硬化型のニッケルクロム—鉄合金で、相当量のニオブおよびモリブデン、ならびにより少量のアルミニウムおよびチタンを添加しています。本合金は焼鈍した状態で延性が良好で、700°C(1300°F)までの温度で高強度を有します。
溶体化焼鈍および析出硬化させた状態で納品することが可能です。
• 焼鈍した状態で製造加工特性が良好
• 引張り強度、疲労強度およびクリープ破断強度が良好
• 700°C(1300°F)までの高温における強度が高い
• 1000°C(1830°F)の温度までの耐酸化性が良好
• 極低温環境における優れた機械的特性
• 低温、高温下の優れた耐腐食性、ならびに応力腐食割れおよび孔食に対する耐性が良好
• アーク溶接および抵抗溶接プロセスによる溶接性が良好(溶接後割れの心配がない)
※定尺の長さは次の記号により表示しています。
◆1000mm ◎2000mm ▲3000mm ■3500mm ●4000mm ★2500mm~3990mmの切り揃え又は乱尺
(ST:固溶化熱処理材) AMS5662
(AG:時効処理材) AMS5663
ST/AG共通規格:ASTM B637 ASME SB637 ※GE C50TF13(化学成分のみ) ※GE
B50T69(化学成分のみ) ※GE B50TF15 A&D(化学成分のみ) GE S-1000 GE S-400
※ロット・サイズにより対応出来ない場合がございます。
★/▲固溶化熱処理材 ★時効処理材
サイズ1〜13 | ||||||||||||||||
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1.2 | 1.6 | 2 | 2.6 | 3 | 3.5 | 4 | 4.4 | 5 | 5.3 | 6 | 7.1 | 8 | 8.95 | 10 | 12 | 13 |
▲ | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||||||||
★ |
★ |
★ |
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サイズ16〜50 | ||||||||||||||||
16 | 18 | 19 | 20 | 22 | 24 | 25 | 28 | 30 | 32 | 35 | 36 | 38 | 40 | 42 | 45 | 50 |
★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||
★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||
サイズ55〜135 | ||||||||||||||||
55 | 60 | 65 | 70 | 75 | 80 | 85 | 90 | 95 | 100 | 105 | 110 | 115 | 120 | 125 | 130 | 135 |
★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||
★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ 101.6 |
★ | ★ | ★ | ||||||
サイズ140〜300 | ||||||||||||||||
140 | 145 | 150 | 160 | 165 | 170 | 180 | 190 | 200 | 210 | 220 | 230 | 250 | 280 | 300 | ||
★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ▲ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||||
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★ | ★ |
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相当品 | 丸棒 | 板 | パイプ | 溶接棒 | ||
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最小 | 最大 | 最小 | 最大 | |||
インコネル718 溶体化 丸棒(ASTM B637/AMS5662) 板材(ASTM B670/AMS5596) |
6.35〜305 | 0.25〜101.6 | △ |
相当品 | 丸棒 | 板 | パイプ | 溶接棒 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
最小 | 最大 | 最小 | 最大 | |||
インコネル718 時効材 (API6A/NACE) |
12.7〜350 |
相当品 | 丸棒 | 板 | パイプ | 溶接棒 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
最小 | 最大 | 最小 | 最大 | |||
インコネル718 時効材 (ASTM B637/AMS5663) |
4.75〜203.2 |
※○・・・在庫サイズ各種あり △・・・在庫サイズ限定 ☆・・・詳細お問合せ下さい
※ASTM、ASME、AMS、NACE規格等の各種規格にも対応可能です。詳細はお問い合わせ下さい。
ALLOY718はクロムおよびモリブデン成分の含有量が高いため、高温・低温下で多くの媒体により発生する孔食など、全面腐食および部分腐食に対して優れた耐食性を発揮します。また、クロムを含むことで塩化物イオンによる応力腐食割れにも耐性を有するため、石油、(硫化水素を含む)サワーガスの環境、および海水中における使用に適した合金となっています。
一般的にALLOY718は温度が700°C(1300°F)以下の用途にのみ使用します。ただし、1000°C(1830°F)までの耐酸化性は特に高く、ガンマプライム相(γ')を強化した他の超合金に匹敵しうる耐酸化性を示します。
700°C(1300°F)までの高温における強度、また、優れた耐腐食性および製造加工性から、ALLOY718は様々な分野で使用されています。最初に、航空機のジェットエンジンのタービンディスクに使用されました。この用途においては応力破断およびクリープ破断に対する耐久力が最重要となるためです。
その後、本合金の持つそのような特性、製造加工性およびコスト効率性から幅広い用途に採用されるようになりました。今日、その用途は高応力が掛かるガスタービンやロケットエンジンの回転部品および固定部品、高張力ボルト、スプリングや締め具、原子炉や宇宙船の構成部品、(銅などの)押出し用または剪断加工用の高温ツールなど、幅広い分野に及びます。最近では、オフショアおよび海洋エンジニアリングに使用されるポンプシャフト、その他の高応力が掛かる坑口装置、油井用機器など、非常に重要な用途にも利用されています。特に(硫化水素、二酸化炭素、塩化物を含む)サワーオイルやサワーガスの井戸掘削装置用の合金として役立っています。
Ni | Cr | Fe | C | Mn | Si | Cu | Mo | Co | Nb | Al | Ti | B | |
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min | 50.0 | 17.0 | bal. | 2.80 | 4.75 | 0.20 | 0.65 | ||||||
max | 55.0 | 21.0 | 0.08 | 0.35 | 0.35 | 0.30 | 3.30 | 1.0 | 5.50 | 0.80 | 1.15 | 0.006 |
P | S | Pb | Se | Bi | Ta | |
---|---|---|---|---|---|---|
min | 0.05 | |||||
max | 0.015 | 0.015 | 5ppm | 3ppm | 0.3ppm |
※表内の数値は参考基準値で、最小値・最大値を保証するものではありません。詳細につきましては別途お問い合わせ下さい。
耐力(Mpa) | 引張強さ(Mpa) | 伸び(%) | 絞り(%) | 硬さ(HB) | |
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ASTM ミニマム値 | 1034 | 1275 | 12 | 15 | 331 |
室温での代表値 | 1176 | 1343 | 17 | 382 |
板・パイプの機械的性質数値・資料についてはお問い合わせ願います。上記は丸棒での数値となります。
※表内の数値は参考基準値で、最小値・最大値を保証するものではありません。詳細につきましては別途お問い合わせ下さい。
材質名 | 丸棒 | 板 | パイプ | ||
---|---|---|---|---|---|
シームレス | 溶接管 | ||||
ASTM | UNS N07718 |
B673 | B670 | ||
ASME | SB673 | SB670 | |||
JIS | NCF718 | H4553 | G4901 | H4552 | |
DIN | 2.4668 | 17752 | 17750 | 17751 |
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