ALLOY800 HTは高強度を持つオーステナイト系のニッケル—鉄―クロム固溶体合金で、炭素、アルミニウム、チタン、ケイ素、マンガンの各成分レベルが調整され、（アルミニウム＋チタン）の成分量を増加させています。
特殊な溶体化焼鈍処理（粒子径90 μm以上／ASTM No. 4）により炭化チタン（TiC）を析出し、700°C（1290°F）を超える温度においてもクリープ破壊強度を最大限に高めています。
700°C（1290°F）未満の温度ではガンマプライム相（γ´）が析出し、延性が失われます。

• 700°C（1290°F）を超える温度における優れたクリープ強度
ただし、使用中の温度が700°C（1290°F）を下回ることが頻繁に起こる可能性が否定できない用途、あるいは材料の一部が常時700°C（1290°F）未満の温度にさらされるような用途にはALLOY800 H（インコロイ800H）の使用を推奨します。
• 還元、酸化、窒化雰囲気に対する耐性が良好。また、還元条件と酸化条件が交互に代わる雰囲気に対しても高い耐性を持ちます。
• 高温下で長期間使用した場合の治金学的安定性

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※ASTM、ASME、AMS、NACE規格等の各種規格にも対応可能です。詳細はお問い合わせ下さい。

ALLOY800 HTはニッケルおよびクロム成分の含有量が高いため優れた耐酸化性を示します。
また、浸炭、窒化および酸化性硫黄雰囲気に対する耐性も非常に優れています。
表面に形成された保護酸化膜は静的条件あるいは加熱・冷却の繰り返し条件でも密着性を維持します。また、使用に先立って合金を予備酸化し、薄い酸化膜を形成させておくと耐浸炭性が向上します。
耐水素性に優れているため、ALLOY800 HTは炭化水素の水蒸気改質処理による水素生産用途に標準的に用いられる材料となっています。

ALLOY800 HTは長期の使用にも耐えうる耐久性に加え、浸炭および窒化に対する耐性を有するため、炭化水素の水蒸気改質処理用に多く使用されています（例：ピグテール管、ヘッダー／コレクター／マニホールド、移送用配管、触媒管（低圧プロセス用）、冷却システム配管などの構成部品）。

※表内の数値は参考基準値で、最小値・最大値を保証するものではありません。詳細につきましては別途お問い合わせ下さい。

板・パイプの機械的性質数値・資料についてはお問い合わせ願います。上記は丸棒での数値となります。
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